「読書会からのお知らせ」と「第69回読書会報告と感想文」
2025年5月25日 20:09 読書会

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「読書会からのお知らせ」&「第69回阿佐ヶ谷婦人公論読書会報告と感想文」

<読書会からのお知らせ>


 2018年から阿佐ヶ谷の洒落たお店でお茶を飲みながら始めた「阿佐ヶ谷婦人公論読書会」。

コロナ以降はオンライン開催で継続しながら、今回でなんと69回!

20244月からの「新・読書会」も2年目を迎え、男女のなぞを解く話題がさらに充実!

今回は、黒川伊保子さんの『夫のトリセツ』の気になる箇所をもとに読書会を進めました。

多様化するカップル支援を考えるにあたり、時代に即応したテーマを取り上げ、深掘りすることでさらにパワーアップしたいと考えています。

ぜひ今後のスケジュールをチェックしてください!

次回は第70回 5月27日(火)21(オンライン)

来月は、引き続き「トリセツ」シリーズ。『息子のトリセツ』を扱います。

「新・読書会」では、遠方の方も参加しやすい「オンライン」をベースに、

随時「リアル」での開催を企画していきます。


今年度から、読書会の日程を毎月第4火曜日の21時からを基本に開催します。
 また、誰でも気軽に参加できるよう、当日のzoom入室のためのURLを協会HPのミータスに掲載いたします。
 事前の申込みは不要です。
 「耳だけ参加」でもOK 移動中等でも気軽にご参加ください。

 <会員限定>

 本読書会に参加ご希望の方は➡QRコード(増渕のLINEあて)に、お手持ちのスマホでカメラをかざして繋いでください。    
 「新・参加できる阿佐ヶ谷婦人公論読書会」グループラインに招待させていただきます。

 ★または、協会アドレス japan.family.counseling@gmail.com
    まで、お問合せ、お申込みをお願い致します。


                                       

読書会主宰 理事長 長谷川啓三
担当 増渕広美
オンライン読書会(55)(ZOOM 



69回   

<参加できる阿佐ヶ谷婦人公論読書会>   

おんなとおとこの工夫 生涯を連れ添うために」 2025.4.29開催
ZOOMによるオンライン読書会をベースに、随時リアル開催しています。



テーマ 

 ◆ 夫の取扱説明書とは?

《資料》

l 黒川伊保子『夫のトリセツ』

 

【参加者】名 (男性3名、女5名)


【概要】(まとめ:増渕)

理事長のご提案でスタートした黒川伊保子さん(脳科学・AI研究者)の「トリセツ」シリーズ第2弾。先月の『妻のトリセツ』に続き、今月は『夫のトリセツ』。

今回は、以前参加くださっていたお二人を久々にお迎えし、活気あふれる会となりました。内容もさらに充実!多様な視点からの考察が飛び交う自由闊達な読書会の雰囲気をこれからも大切にしていきたいと思います。

トリセツシリーズを資料として扱う場合の進め方は、事前に寄せられた「気になる箇所」にポイントを絞り、当該箇所をスライドにまとめ、意見交換をしています。ですから、たとえ時間の関係等で1冊を読み終えていなくても、当該箇所について自由にご意見を述べていただくことができますので、臆することなくぜひご参加ください。

読書会では、どのような資料を扱うにせよ、常にテーマである「生涯を添い遂げるためには」を念頭に置いています。時には「カップル・カウンセリング」の視点から意見を交換したり、先生からご教示をいただいたりなど、単なる「読書会」以上の「学び」の場であることが、本読書会の醍醐味です。

読書会後には、LINEグループにて「任意」で感想を交換しています。感想を交換することで、さらに考えが深まり、刺激を受けます。その他、LINEグループでは、ミータスで公開している読書会(zoom)入室のためのURLを重ねてご連絡しています。また、興味深い資料や記事の紹介などの情報を自由に交換したりもしていますので、興味のある方は、ぜひLINEグループにご登録ください。

協会会員であれば、家族相談士でなくても参加することができます。

少しでも読書会に興味・関心をお持ちでしたら、ぜひ一度参加してみてください。

参考まで、今回取り上げた箇所をご紹介します。


黒川伊保子『夫のトリセツ』(講談社+α新書)より

夫への怒りは、大半は濡れ衣である。一つは、今述べたように「よりよい相手」を探そうとする女性脳の罠にはまっているから。もう一つは、男性脳のありようを知らないために起こる誤解。前者は本能なので避けがたいが、後者は知ることでなんとかできる。

男性脳は、知れば知るほど、不器用で一途で、愛おしい。(P7)

人生100年時代、下手すると、夫婦は70年も一緒に暮らす。夫婦が共に仲良く暮らすためのテクニックや哲学を、人類はもっと研究しなければいけない気がする。「夫婦学」があってもいい。

その学術領域の成立を待っていられないから、とりあえず、人工知能の研究者が書く「夫のトリセツ」を、ここにお届けする。(P8

人工知能の設計をしていて、気がついた男性脳の取扱い方。これが案外、夫婦の安寧をもたらす。「腹立たしい夫」が「案外いい夫」に変わる本、になるかもしれない。(P8

 

なぜ夫は、妻を地獄に落とすのか。どうしたら家庭を天国にしておけるのか、が、この本のテーマである。(P19

妻を地獄に落とすのは、多くの場合、夫ではない。

妻の脳の生殖戦略なのである。(P20

動物は、異性の見た目、声、匂いなどから、遺伝子のありようを見抜く。そうして、免疫力が高いか、遺伝子相性のいい相手に惚れて、遺伝子をゲットしようとする。哺乳類のメスの場合、生殖リスクが高いので(身ごもって生み出し授乳するのは、時間がかかるし命がけ)、相手を厳選して、発情する。これが恋の正体(P20

一定期間は相手に夢中なのだけれど、妊娠しないで時が経てば、その「あばたもえくぼ」期間を脱してしまう。……生殖機会を失う危険性が高いからだ。(P20

妊娠して、無事出産すれば、相手への執着は強くなる。ただし、執着の仕方が変わる。恋の相手から、資源を提供すべき者に変わるのである。子どもを無事に育て上げるためには、搾取すべき相手からは徹底して搾取する、という戦略を取ったほうが、子どもの生存可能性を上げるからだ。

(P21)

ということで、子を持った妻は、夫の労力、意識(気持ち)、時間、お金のすべてをすみやかに提供してほしいという本能に駆られる。子どもには徹底して優しいが、夫には厳しい。これこそが、本当の母性本能である。

(P21)

 

女性脳の罠

やがて、子どもが自分の足で歩くようになると、脳は「次の生殖相手」を探す気満々になる。生物の生きる目的の第一義は「繁殖」だからだ。よりよい遺伝子を求めて、脳はあくなき人生の旅をしている。(P23

厄介なのは、女性脳の場合、それが浮気心として表出しないこと。とにかく「直近の生殖相手」に腹が立って、イラついて仕方がない事態を経て、それを起爆剤にして、次の相手へのスイッチをいれようとすることだ。このため、女性は「悪いのはこの人。私じゃない」と思い込む。(P23

人類の女性も、健全ならば健全なほど、その罠に落ちる。

夫が癪に障ってしょうがない、というとき。

まぁ、まんまと地雷を踏む夫も悪いけど、自分の脳の罠であることも知っておいたほうがいい。そうすると、少し冷静になれる。(P2425

 

男女の脳は違うのか、違わないのか

男女のミゾを作るのは、生殖戦略の罠だけじゃない。

男女は、脳のチューニングが違う。そもそも、これが問題なのだ。(P26

男女とも、同じ脳を持ち、全機能搭載可能で生まれてくる。そういう意味では、男女の脳は違わない。

しかし、チューニングが違うのである。

同じラジオでも、チューニングした周波数が違えば、片方は哲学を語り、片方はおしゃれなボサノバを流してくる。男女の脳はそれに似ている。

P26

 

経緯を語りたがる女性脳、結論を急ぐ男性脳

脳は、とっさに使う側を決めておかなければならない。遠くをみるのか、近くを見るのか。プロセスを解析するのか、とにかくゴールを目指すのか。

人類の男女は、哺乳類のオスとメスである。生存戦略が正反対なので、この「とっさの側」が正反対なのである。(P26

荒野や山に狩りに出て、危険な目に遭いながら、仲間と自分を瞬時に掬いつつ、成果を出さなければ生存も繁殖もできなかった男性脳は、「遠く」を見て、とっさに問題点を指摘し合い、「ゴール」へ急ぐようにチューニングされている。(P29

一方、授乳期が長く、生まれてから1年も歩けない子どもを育てる人類の女性たちは、「近く」を見つめ抜いて、大切な人の体調変化を見逃さず、とっさに共感し合うように」チューニングされている。

P2930

この2つの脳が、共にくらしているのだから、よほど知性的に暮らさないと、結婚生活が天国であるわけはないのだ。

守ってあげたい相手だからこそ、問題解決を急ぐのが、「大丈夫?「わかるよ」と言うまえに、「君も、ここが悪い。直しなさい。」と言ってくる。

信頼している相手だからこそ、共感してほしい女性脳からしたら、これは裏切りに見えてしまう。(P30

夫が気が利かない、本当の理由

夫は、気が利かない。(P78

……それ、やる気がないからではなく、妻の所作をうまく認知できていないせいなのだって、知ってました?(P79

女性は、鎖骨を横にスライドして腕を出し、一筆書きを描くように、ものを取る。肩の下で、静かに腕が動くのである。……一方男性は、鎖骨を回転させて、ものを取る。腕を前につき出し、それを戻す運動になる。(P80

所作の違いは、脳の認知の違いでもある。

女性の所作は、流れるようなワンアクションなので、鋭角に「行って、変える」ツーアクションの男性からしたら、認知しにくいのだ。(P80

 

「夫は気が利かない」は濡れ衣である

夫の脳では、妻の所作が網膜に入るが、風景のように見流しているのである。目の前にいて、妻がおむつを替えている風景を眺めていても、「子どもがごろんとなったら、お尻拭きに手が届かないで、妻が困っている」というようには認知できない。(P80

興味がないからではなく、所作が違うから、ちなみに、ワンアクションの女性からしたら、ツーアクションの男性の所作はわかりやすい。妻は夫の所作を察して、手を添えられるのに、夫にそれができないという関係だから、いっそう、愛情の欠如や、気の利かなさに思えてしまうのだろう。

というわけで、「夫は気が利かない」は、濡れ衣である。

見えていないなら、言うしかない。(P82

 

結婚の正体

夫にとって妻は、妻となった時点でかけがえがないのである。その気持ちは、妻のそれよりも盤石だ。だからこそ、「日常の手当」が必要だとわからず、妻に気を遣わず、のほほんと生きている。そう考えると、無邪気に「お茶」という夫の、なんて愛しいことよ。(P125

妻になった時点で、女は、何か確実なものを手に入れたのである。

「誰かの恋人」であり続けることは、女の理想だが、一人の男を相手に、妻であることと恋人であることは、そう長くは共存できない。女はそのどちらかを選ぶしかなく、夫に関しては、覚悟のあるとなしとにかかわらず、前者を選んだのである。

夫を、恋の延長線上に置かず、家族のアイテムとして捉える。恋の輝きを家族の絆に換えていく。やがて、家族というものに感じるかけがえのなさが、夫への愛に転じるようになる。甘くもなければ、キラキラもしていない。ただ、しみじみとするものそれが結婚の正体なのだろう。夫婦にしかできない時間の使い方である。(P125126

 

以上